弁理士が商標をわかりやすく解説-第16回(応用編第1回)「不登録事由(商標法第4条第1項各号)」…不登録事由について、イラストでわかりやすく説明します。(IPdash東京 特許事務所/弁理士 留場恒光)

商標編第16回(応用編の第1回)です。
不登録事由、商標法第4条第1項各号について、イラストで分かりやすく説明します。

第6回では商標法第4条第1項第11号のみ解説しましたが、今回はそれ以外のところを解説します。

かなり長丁場になりますので、ざっと眺めていただければと思います。

目次(クリックするとその項目に移動します)
第4条第1項第1号~第6号
第4条第1項第7号
第4条第1項第8号
第4条第1項第9号
第4条第1項第11号
第4条第1項第10・15・19号
第4条第1項第12号
第4条第1項第14号
第4条第1項第16号
第4条第1項第17号
第4条第1項第18号

  ☆     ☆     ☆

まず、審査の流れを復習しましょう。

出願から商標登録(商標権の取得)までの流れの復習:審査において、拒絶理由があると商標登録になりません。ここでは拒絶理由として、商標が不登録事由に該当する場合を見ていきましょう。

出願している商標に不登録事由があると、拒絶されて商標登録ができないのでした。

商標登録ができない場合として、登録要件を満たさない場合(商標法第3条違反)と、不登録事由に該当する場合(商標法第4条違反)があります。商標法第3条各号に該当する場合は商標登録ができない(拒絶)。例:識別力がない。商標法第3条の要件をクリアしても、商標法第4条各号に該当する場合は商標登録ができない(拒絶)。例:他人の登録商標と同一類似。商標法第3条(普遍的適格性)と商標法第4条(具体的適格性)の二段構えで判断されますが、商標法第3条の要件をクリアしても、これから述べる不登録事由に該当する場合は、商標法第4条違反で拒絶されます。

そもそも商標法第3条の要件を満たさない場合、例えば識別力がなく商標として機能していないような場合は審査で拒絶されます。

第3条の要件をクリアしても、これからお話しする商標法第4条の要件を満たさない場合は、審査で拒絶されます。

第4条第1項第1号~第6号

条文は最後の方に掲載してありますが、条文だけ見ても分かりづらいと思います。

第1号~第6号の該当例を写真等でざっと見ていただき、イメージをつかんでいただければと思います。

商標法第4条第1項第1号に該当する例(国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標)

国旗等です。同一類似の商標は当然商標登録できません。

商標法第4条第1項第2号に該当する例(パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章であつて、経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標)

(商標に関する条約の)同盟国の紋章などです。

ただし、紋章・記章は各国ごとに多くありますので、保護対象は「経済産業大臣が指定するもの」に限られます。
これはこの後の3号や5号でも同じです。

商標法第4条第1項第3号に該当する例(国際連合その他の国際機関を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標(次に掲げるものを除く。) イ:自己の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似するものであつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの ロ:国際機関の略称を表示する標章と同一又は類似の標章からなる商標であつて、その国際機関と関係があるとの誤認を生ずるおそれがない商品又は役務について使用をするもの)

国連や国際機関の標章です。ロゴに限りません。

出願に係る商標がアルファベット数文字で構成される場合で、国際機関の略称と被っていたりすると、この拒絶理由が来るので注意が必要です。

例えば出願商標「EUREKA」が欧州先端技術共同体構想(European Research Coordination Action)の略称を表示する標章と同一類似であるとして、本号を理由に拒絶されました。

商標法第4条第1項第4号に該当する例(赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律第一条の標章若しくは名称又は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第百五十八条第一項の特殊標章と同一又は類似の商標) 例:名称「赤十字」、「ジュネーブ十字」、「赤新月」、「赤のライオン及び太陽」や特殊標章など

赤十字や、イスラム教国において赤十字に相当する「赤新月」等と同一類似の商標は登録されません。

商標法第4条第1項第5号に該当する例(日本国又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の政府又は地方公共団体の監督用又は証明用の印章又は記号のうち経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章を有する商標であつて、その印章又は記号が用いられている商品又は役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするもの)

証明用の印章等と同一類似の商標は登録されません。

商標法第4条第1項第6号に該当する例(国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標) 例:(例1)都道府県、市町村、都営地下鉄の標章(例2)東京都交通局のロゴなど

都道府県等の標章で著名なものと同一類似の商標は登録されません。

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いかがでしたでしょうか。

これらに該当する商標は登録できなくて当然かな、というものが多かったと思います。

第4条第1項第7号

第4条第1項第7号に該当する場合は「公序良俗違反」などといわれます。

登録NG例を見てみましょう。

商標法第4条第1項第7号に該当する例(審判決例)。御用邸、DARI、建設大臣、特許管理士、富士山世界文化遺産センターなど。これらの商標は、第4条第1項第7号違反として拒絶または無効となりました。

また、不正な目的があるとして拒絶した例を挙げます。

以下のスライドにある「剽窃」とは、「他人の作品等を盗んで、自分のものとすること」です。

第4条第1項第7号審判決例「本件商標の出願は、原告らに先回りし不正な目的をもって剽窃的にしたものと認められるとして、商標法4条1項7号に該当する」とされた事例(平成22年8月19日 知財高平成21年(行ケ)第10297号) 2つの商標のあいだで何が起きたのでしょうか。 不正目的の先回り出願というものはよくよくニュースになるところではありますので、 少し時間をかけて判決文全体を見てみることにします。

時系列を以下に示します。

第4条第1項第7号事例:引用商標に関わるASUSTeK社(マザーボードの世界シェア1位・著名企業)とASRock社(子会社・著名企業)があり、その正規輸入代理店ユニスター社が原告です。商標登録出願人と対立しています。ASUSTeK社が引用商標を第二ブランドとしてデビューさせる旨のニュース報道を行ったその翌日、商標登録出願人が本件商標について韓国で商標登録出願(基礎出願)。その後、商標登録出願人は基礎登録に基づいて日本で商標登録出願。事業の実態がほとんどないにもかかわらず多数の商標登録出願をし、警告書等を送付した。

引用商標に関わるASUSTeK社(マザーボードの世界シェア1位・著名企業)とASRock社(左記企業の子会社・著名企業)があり、その正規輸入代理店ユニスター社が原告です。

「本件商標」の商標登録出願人が被告です。

ASUSTeK社が引用商標を第二ブランドとしてデビューさせる旨のニュース報道を行ったその翌日、商標登録出願人(被告)が本件商標について韓国で商標登録出願(基礎出願)をしました。

その後、商標登録出願人は基礎登録に基づいて日本で商標登録出願をしました。

なお、その商標登録出願人は事業の実態がほとんどないにもかかわらず多数の商標登録出願をし、警告書等を送付していました。

以下に裁判所の判断を示します。

赤文字部分、黄色マーカー部分のみかいつまんで読んでいただければと思います。

本件商標は、下記の構成で、第9類「半導体、コンピュータ用メインボード、プリント回路基板、コンピュータ用プログラムを記憶させた記録媒体、パーソナルコンピュータ」を指定商品とするものである。  認定事実を総合考慮すれば、被告による本件商標の韓国における原基礎登録出願は、平成14年(2002年)7月2日、ASUSTeK社が、同月中に中国において、同社の第二のブランドとして、「ASRock」(引用商標、下記参照)ブランドの製品をデビューさせる旨のニュース報道の翌日に偶然に被告が独自に選択して韓国において出願されたものとは考えられず、被告は、上記一連の報道を知り、将来「ASRock」という商標を付した電子機器関連製品が市場に出回ることを想定し、ASUSTeK社あるいはASRock社に先んじて「ASRock」商標を自ら取得するために、本件商標の原基礎登録商標を出願したと推認するのが相当であり、少なくとも、本件商標の出願日(平成15年9月18日)においては、ASRock社が同社の製造販売する製品に引用商標を使用していることを知りつつ、本件商標の国際出願をしたと認めるのが相当である。
被告の韓国における事業の実体は明らかではなく、実際に電子機器関連の製造・販売業を行っているか疑わしく、事業の実体がほとんどないにもかかわらず、電子機器関連の多数の商標を出願し、その中には、他社が海外で使用する商標と同一類似の商標を故意に出願したとしか考えられない商標も複数含まれていること、被告は我が国で事業を行っていないにもかかわらず、本件商標登録後、原告を含め、引用商標を付したASRock社の製品を取り扱う複数の業者に対して、輸入販売中止を要求し、要求に応じなければ刑事告発・損害賠償請求を行う旨の多数の警告書を送付していること、韓国においては、ASRock社の製品の販売代理店に対して、過度な譲渡代金を要求していたこと、以上の事実を総合考慮すると、本件商標は、商標権の譲渡による不正な利益を得る目的あるいはASRock社及びその取扱業者に損害を与える目的で出願されたものといわざるを得ない。
以上のとおり、被告の本件商標の出願は、ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用することを選択し、やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を、先回りして、不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められるから、商標登録出願について先願主義を採用し、また、現に使用していることを要件としていない我が国の法制度を前提としても、そのような出願は、健全な法感情に照らし条理上許されないというべきであり、また、商標法の目的(商標法1条)にも反し、公正な商標秩序を乱すものというべきであるから出願当時、引用商標及び標章「ASRock」が周知・著名であったか否かにかかわらず、本件商標は「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべきである。 あまり聞きなれない言葉だと思いますが、「剽窃」とは、「他人の作品等を盗んで、 自分のものとして発表すること」を言います。

「本件商標は、商標権の譲渡による不正な利益を得る目的あるいはASRock社及びその取扱業者に損害を与える目的で出願されたものといわざるを得ない。」

「被告の本件商標の出願は、ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用する…であろうと認められる商標を、先回りして、不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められ、…本件商標は「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当するというべきである。」

と判示しています。

  ☆     ☆     ☆

以上、商標登録出願に不正の目的があると判断された例を挙げました。

上記の例のような公序良俗違反は立証が非常に難しく、第4条第1項第7号違反の訴えは常に認められるわけではありません。

「不正の目的がありそうだから第4条第1項第7号違反で訴えれば勝てるでしょ」という気軽なものではないということです。

第4条第1項第7号は「伝家の宝刀」などと言われています。

第4条第1項第8号

商標法第4条第1項第8号 改正前:他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。) 改正後:他人の肖像若しくは他人の氏名(商標の使用をする商品又は役務の分野において需要者の間に広く認識されている氏名に限る。)若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)又は他人の氏名を含む商標であって、政令で定める要件に該当しないもの

商標法第4条第1項第8号は、他人の氏名等を含む商標は登録できない、という規定です。

令和5年に法改正がありました。

以前は著名ではない他人の氏名を含む商標も拒絶の対象だったのですが、その要件が緩和されました。

これから運用によりルールが明確になっていくと思われます。

なお、「氏+名」が第4条第1項第8号の対象です。

例えば、「鈴木」や「田中」などの「氏」のみを含むような単純な商標は、商標法第3条の規定で拒絶されます。

第4条第1項第9号

商標法第4条第1項第9号の規定は以下の通りです。

ざっくり言って、博覧会の「賞」と同一類似の商標は拒絶されます。

・政府等が開設する博覧会 ・政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの ・外国でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会 の賞と同一又は類似の標章を有する商標(その賞を受けた者が商標の一部としてその標章の使用をするものを除く。)

第4条第1項第11号

第6回を引用します。

すでにご覧になられた方は読み飛ばしていただいて結構です。

第4条第1項第11号や商標の類否等についてもう一度ご覧になりたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

知的財産とは(商標編)第06回/その商標は登録できません!(不登録事由・第4条)

(クリックすると別タブで開きます。)

第4条第1項第11号のイメージ:アイスクリームを指定商品とする先願商標「TOYOUKEWHITE」があり、登録されたとします。そのあと、同じ指定商品についての商標「トヨウケホワイト」を出願しても、商標法第4条第1項第11号で拒絶されます。

事例です。

アイスクリームを指定商品とするAさんの先願商標「TOYOUKEWHITE」があり、のちに登録されたとします。

そのAさんの出願のあと、Bさんが同じ指定商品について商標「トヨウケホワイト」を出願したとします。

この場合、Bさんの出願は商標法第4条第1項第11号で拒絶されます。

紛らわしい商標を2つ登録すると、消費者(需要者)が混乱するからですね。

第4条第1項第11号関連:商標「TOYOUKEWHITE」・指定役務「アイスクリーム」が他人の登録商標として存在しているとします。「トヨウケホワイト」は類似商標、「パン」は類似指定商品です。商標および指定商品の双方が同一または類似である後願の商標は、第4条第1項第11号により拒絶されます。なお、令和5年(2023年)法改正があります。先願の商標権者の承諾がある場合は、第4条第1項第1号を適用しません(次ページ)。

あとから出願した商標が上記のようなものである場合、やはり第4条第1項第11号違反で拒絶されます。

ある登録商標がある中、商標が同一類似、かつ、指定商品(役務)が同一類似の商標について出願しても、その出願は拒絶されます。

逆に言えば、商標または指定商品(役務)のどちらかが登録商標と非類似である場合、その出願は第4条第1項第11号を理由としては拒絶されません。

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なお、商標法第4条第1項第11号に関わる法改正が令和5年にありました。

商標法第4条第1項第11号に関わる法改正(令和5年)-商標法第4条第4項(コンセント制度):1.先願に係る商標権者から、商標登録を受けることについて承諾を得ていること、2.(商標権者、使用権者が使用する)商品・役務との間で混同を生ずるおそれがないこと、を満たす場合、商標法4条1項第11号の規定は適用しない

下記の要件をどちらも満たす場合、商標法4条1項第11号の規定は適用しないことになります(商標法第4条第4項)。

1. 先願に係る商標権者から、商標登録を受けることについて承諾を得ている
2. (商標権者、使用権者が使用している)商品・役務との間で、混同を生ずるおそれがない

こちらはコンセント(同意)制度と呼ばれており、海外の法制度と歩調を合わせたものです。

第4条第1項第10号、第15号、第19号

各号のイメージについて最初に見ていきましょう。

商標法第4条第1項第10号のイメージ:ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用し、周知になっていたとします。この商標は未登録周知商標です。その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「アイスクリーム」を指定商品として出願しても、商標法第4条第1項第10号違反により拒絶されます。

ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用し、周知になっていたとします。

この商標は未登録周知商標です。

その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「アイスクリーム」を指定商品として出願しても、商標法第4条第1項第10号違反により拒絶されます。

商標法第4条第1項第10号は、商品等の出所混同防止のほか、未登録周知商標の既得の利益を保護します。

商標法第4条第1項第15号のイメージ:ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用していたとします。その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「ワイン」を指定商品として出願したとします。商品「アイスクリーム」と「ワイン」は非類似です。しかし、先の事業者の「TOYOUKEWHITE」と出所混同の恐れがある場合、その出願は商標法第4条第1項第15号違反により拒絶されます。出所混同のおそれがある、ということは、商標「TOYOUKEWHITE」は周知商標です。

ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用していたとします。

その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「ワイン」を指定商品として出願したとします。

商品「アイスクリーム」と「ワイン」は非類似です。

しかし、先の事業者の「TOYOUKEWHITE」と出所混同のおそれがある場合、その出願は商標法第4条第1項第15号違反により拒絶されます。

出所混同のおそれがある、ということは、商標「TOYOUKEWHITE」は周知商標です。

商標法第4条第1項第19号のイメージ:ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用し、周知になっていたとします。その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「化粧品」を指定商品として出願したとします。商品「アイスクリーム」と「化粧品」は非類似です。また、出所混同のおそれもなかったとします。しかし、出願人に不正の目的がある場合、その出願は商標法第4条第1項第19号違反により拒絶されます。

ある事業者が商標「TOYOUKEWHITE」を商品「アイスクリーム」に使用し、周知になっていたとします。

その後、第三者が「TOYOUKEWHITE」と類似する商標「トヨウケホワイト」について、「化粧品」を指定商品として出願したとします。

商品「アイスクリーム」と「化粧品」は非類似です。また、出所混同のおそれもないとします。

しかし、出願人に不正の目的がある場合、その出願は商標法第4条第1項第19号違反により拒絶されます。

不正の目的とは例えば、利益を得る目的や周知商標の使用者に害を与える目的です。

  ☆     ☆     ☆

これら10号、15号、19号の関係性について、審査基準の例が分かりやすいので記載します。

なお、以下のスライドでは、「著名」という言葉が使われていますが、これはあくまで例です。

例えば、第4条第1項第10号や第11号は引用商標が著名でなくても適用されますのでご注意ください。

(参考)審査基準:審査基準第4条第1項第15号「他人の著名な商標を一部に有する商標について」 第4条第1項第10号:他人の著名な未登録商標と類似×商品等同一類似 第4条第1項第11号:他人の著名な登録商標と同一類似×指定商品等と同一類似 第4条第1項第15号:商標非類似 or 商品等非類似(10号、11号非該当)しかし、商品等の出所の混同を生ずるおそれがある 第4条第1項第19号 商品等非類似&商品等の出所の混同を生ずるおそれもない(10・11・15号非該当)しかし、著名な商標と類似×不正の目的

商標法第4条第1項第10号と第11号の違いは未登録商標か登録商標かの違いです。

商標法第4条第1項第10号や第11号に該当しなかったとしても、商品等の出所の混同のおそれがある場合は商標法第4条第1項第15号が適用され、拒絶等されます。

さらに商標法第4条第1項第15号に該当しなかったとしても、不正の目的があるのであれば商標法第4条第1項第19号が適用され、拒絶等されます。

第4条第1項第10号の事例:昭和24年以来「ミネルヴア書房」の商号により出版業を引続き行っている会社が、その出版書類の大部分に「ミネルヴア書房」の標章を表示し、その他のものには「ミネルヴア全書」の標章を使用していて、昭和43年までの間に約1600点の書籍を刊行し総発行部数は約400万部に達していることが認められる。…してみると、引用各商標は、本件商標の登録出願の日前すでに被告の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されていたものと認めることができる。したがって、本件商標は、商標法4条1項10号に該当する。(→登録不可)

商標法第4条第1項第10号の事例です。

未登録ながら周知となった「ミネルヴァ書房」の存在を理由に、商標「ミネルバ」指定商品「印刷物」等に係る出願を拒絶しました。

第4条第1項第15号の該当例:1.出願商標「arenoma」商品「被服」と、著名商標「renoma」商品「カバン、バッグ」。2.出願商標「パーソニー」商品「おもちゃ」と、著名商標「ソニー」商品「電気機械器具」。非該当例 出願商標「POLAROID」商品「カメラ」と、著名商標「POLA」商品「化粧品」。指定商品又は指定役務との関係において混同を生ずるおそれがないと判断される。

商標法第4条第1項第15号の該当する例、該当しない例は例えば上のスライドの通りです。

指定商品等が非類似であっても、混同を生じるおそれがある場合は適用されます。

第4条第1項第19号の事例:(判例)商標の著名性へのただ乗り、希釈化のおそれがあることから、不正の目的があったものとされた事例(平成13年11月20日東京高平成13年(行ケ)第205号) 結論を申しますと、本件商標は一度登録されたのですが、その後異議申立てがありました。結果、特許庁は本件商標を取り消す決定をしています。出願人はその決定が不服として、特許庁を相手に裁判を起こしましたが、裁判所は特許庁の判断を支持しました。裁判所が本件商標についてどのように述べたか、見ていきましょう。

商標法第4条第1項第19号に関係する判例です。

裁判所の判断は以下になります。赤文字部分などをかいつまんで読んでいただければと思います。

「i」の文字単独では、ローマ字のアルファベットであり、特有の意味を有しないこと、「Office2000」の部分は、マイクロソフトの著名な商標と同一であることからすると、本件商標がその指定商品に使用されるときは、取引者・需要者は、場合によっては、語頭にある「i」の文字に気付かず、本件商標から「Office2000」のみを看取し、観念するおそれがあると認められる。…そうとすれば、「Office2000」が既に著名な商標となっていることを十分に知りながら、これと類似する本件商標を出願し、その後これを使用したものであるから、原告(本件商標出願人)は、マイクロソフトの商標である「Office2000」の著名性にただ乗りする意図で、本件商標の出願をし、オフィスソフトと密接に関連することが明らかなグループウエアにこれを使用したものと認めざるを得ず、また、原告が本件商標を使用する結果として、マイクロソフトの「Office2000」の著名性が希釈化されるおそれが大きいと認めざるを得ない。したがって、原告がその商品であるグループウエアに本件商標を使用することには、商標法4条1項19号にいう「不正な目的」があったものという以外になく、これと同旨の決定の認定・判断には、何等誤りはない。

第4条第1項第12号

第4条第1項第12号登録防護標章の例:商標 キッコーマン株式会社のロゴ、指定役務 第36類「預金の受入れ及び定期積金の受入れ」など。商標権者:キッコーマン株式会社。著名商標を保護する制度として防護標章登録という制度があります。その登録防護標章と同一の商標は登録を受けられないことを規定したものです。

防護標章については第18回で紹介します。

醤油で有名なキッコーマン株式会社ですが、預金の受け入れなどは事業として行っていません。

ただ、銀行業などを扱う事業者が同じロゴを使用した場合、「キッコーマン株式会社」と何か関係があるのではないかと需要者に取られかねません。

また、その事業者が悪評を得るような事業者の場合、キッコーマン株式会社にも悪影響が生じかねません。

このようなケースにおいて、防護標章登録により第三者の商標取得を阻止できるのが防護標章登録制度です。

この他人の登録防護標章と同一の商標については商標登録できない、という規定が第4条第1項第12号です。

第4条第1項第14号

商標法第4条第1項第14号のイメージ:種苗法上の品種登録がなされ、その品種の名称が「A」だったとします。育成権者は名称「A」の使用義務があります。また、当該登録品種以外の品種に名称「A」を使用することはできません。その後、第三者が名称「A」と類似する商標「A’」について、「苗、種子」を指定商品として出願したとします。この場合、その出願は商標法第4条第1項第14号違反により拒絶されます。

種苗法上の品種登録がなされ、その品種の名称が「A」だったとします。

育成権者は名称「A」の使用義務があります。また、当該登録品種以外の品種に名称「A」を使用することはできません。

その後、第三者が名称「A」と類似する商標「A’」について、「苗、種子」を指定商品として出願したとします。

この場合、その出願は商標法第4条第1項第14号違反により拒絶されます。

参考までに、逐条解説を見てみましょう。

(参考)逐条解説(商標法第4条第1項第14号):種苗法により登録された品種の名称は、一般に普通名称化すると考えられるので、同法による登録が消滅した後においても同様に商標登録の対象から除外される。したがって、たとえ同法により登録を受けた本人が出願しても登録しないのである。 たとえ品種登録を受けた育成権者であっても、 その品種名について商標登録は受けられません。

こちらも参考ですが、第4条第1項第14号に関わる判例です。

結論から申しますと、指定商品「ハオルシア」(アロエ様の観賞用植物)等と引用登録品種「ばれいしょ種」が類似するとしたものです。

(参考)商標法第4条第1項第14号関連判例:出願に係る商標が引用登録品種の名称と類似し、かつその登録品種の種苗に類似する商品に使用をするものと認められた事例(令和2年3月11日 知財高裁令和元年(行ケ)第10121号) 本件商標「粉雪(標準文字)」指定商品31類「ハオルシア,ハオルシアの苗,ハオルシアの種子」、引用登録品種「コナユキ」引用登録品種「Solanum tuberosum L.」(ばれいしょ種)

そのような判断の根拠は以下です。

「商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、同一の営業主の生産販売等に係る商品と誤認混同されるおそれがあるときは商品類似とする」という判断です。

本願商標の指定商品が登録品種の種苗と類似のものであるかどうかは、 商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判断すべきものではなく、指定商品及び登録品種の種苗の商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一の営業主の生産又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、類似の商品に当たると解するのが相当である。  本願商標の指定商品の「ハオルシア」は,ハオルシア属の多年生草本であり,観賞用の小型多肉植物であると認められる。そして,多肉植物の種子類は,園芸店の店舗や,園芸店の通信販売を行うウェブサイトを通じても販売されているものと認められるから,多肉植物の種子類の主な需要者は,家庭において観賞用の植物を育てる一般の消費者であると認められる。一方,引用登録品種の農林水産植物の種類は,「ばれいしょ種」であり,作物区分は「食用作物」であり,野菜の一種であると認められる。そして,「種苗」とは,「植物体の全部又は一部で繁殖の用に供されるもの」(種苗法2条3項)であるから,引用登録品種の種苗は,「ばれいしょ種」の種芋であると認められる。
そして,野菜の種子類は,園芸店の店舗や,園芸店の通信販売を行うウェブサイトを通じても販売されているものと認められるから,野菜の種子類の主な需要者には,野菜を生産する農業関係者に加え,家庭において園芸を行う一般の消費者も含まれるものと認められる。  そうすると,多肉植物の種子類と野菜の種子類は,用途において観賞用と食用の違いがあるものの,いずれも植物の種子類であって,園芸店やその通信販売用のウェブサイト等で販売され,家庭における園芸に用いられ,需要者が一般の消費者である点において共通する。  したがって,本願商標の指定商品「ハオルシアの種子」及び引用登録品種の「ばれいしょ種の種芋」に本願商標を使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,同一の営業主の生産又は販売に係る商品であると誤認混同するおそれがあるものと認められる。  すなわち,本願商標の指定商品中「ハオルシアの種子」は,引用登録品種の種苗である「ばれいしょ種の種苗」と類似の商品に当たるものと認められる。  以上によれば,本願商標は,引用登録品種の名称と類似する商標であって,その品種の種苗に類似する商品に使用をするものと認められるから,商標法4条1項14号に該当するものと認められる。

第4条第1項第16号

第4条第1項第16号は、「商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標」です。

審査基準の例を見てみましょう。

なおこの規定は、商品の品質等の劣悪には関係ありません。

まず、該当する(拒絶等がされる)例です。

商標法第4条第1項第16号審査基準(例1)本号に該当する場合: 商品「野菜」について、商標「JPOポテト」 端的に言うと、この登録を認めた場合、商品「にんじん」に「JPOポテト」と命づけてもOKとなってしまいます。そうすると、「にんじん」なのか「じゃがいも」なのか、需要者が誤認するでしょ、と言う話です。 なお、指定商品「じゃがいも」と、商品の品質等の誤認を生じさせることなく適正に表示されている場合はこの限りでない。 この場合は、指定商品を「野菜」から「じゃがいも」に補正すればOK、という意味です。

続いて、該当しない(拒絶等がされない)例です。

商標法第4条第1項第16号審査基準(例2)本号に該当しない場合: 商品「自転車」について、商標「JPOポテト」(解説)この場合、商標が表す商品の品質である「普通名称としてのじゃがいも」とは関連しない指定商品「自転車」であることから、本号に該当しないと判断する。 MAC(パソコン)などを商品として売っている著名企業「Apple」の例を考えると分かりやすいと思います。上記例の「JPOポテト」の自転車にせよ「Apple」のパソコンにせよ、その商品との関係において、品質の誤認を生ずるおそれがある商標ではありませんよね。

第4条第1項第17号

商標法第4条第1項第17号審査基準:(例)本号に該当する場合 ・商品「ぶどう酒」について、商標「山梨産ボルドー風ワイン」 ・商品「ぶどう酒」について、商標「CHAMPAGNE style」 「ぶどう酒」や「蒸留酒」に特化した規定です。 「○○風」といった表記も認めません。

第4条第1項第18号

商標法第4条第1項第18号関連:(復習)商標法第3条第2項のフローチャートです。出願に係る商標が商品の形状や商品の包装の形状そのものにすぎない立体商標などであり、識別力がないとして第3条第1項第3号で弾かれても、第3条第2項に該当する(全国的周知である)場合は登録になるのでした。

商標法第3条の復習です。

出願に係る商標が商品の形状や商品の包装の形状そのものにすぎない立体商標などであり、識別力がないとして第3条第1項第3号で弾かれても、第3条第2項に該当する(全国的周知である)場合は登録になるのでした。

商標法第4条第1項第18号関連:フローチャートです。商品の形状や商品の包装の形状そのものにすぎない立体商標など、識別力のない商標が全国的周知となり、商標法第3条第2項の適用で商標法第3条の要件をクリアしたとしても、その商標が商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標である場合は、商標法第4条第1項第18号の規定により拒絶されます。

商品の形状や商品の包装の形状そのものにすぎない立体商標など、識別力のない商標が全国的周知となり、第3条第2項の適用で商標法第3条の要件をクリアしたとしても、

「その商標が商品等が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標」である場合は、商標法第4条第1項第18号の規定により拒絶されます。

弁理士が商標をわかりやすく解説-第16回(応用編第1回)まとめ:これまで見てきたような商標(第4条第1項各号に該当する商標)は、商標登録ができません。

まとめです。
これまで見てきたような商標(第4条第1項各号に該当する商標)は、商標登録ができません。

ご参考までに、商標法第4条の条文を掲載しておきます。

【参考】商標法第4条 条文

(商標登録を受けることができない商標)
第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。
一 国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標
二 パリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章(パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国旗を除く。)であつて、経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標
三 国際連合その他の国際機関(ロにおいて「国際機関」という。)を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標(次に掲げるものを除く。)
イ 自己の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似するものであつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
ロ 国際機関の略称を表示する標章と同一又は類似の標章からなる商標であつて、その国際機関と関係があるとの誤認を生ずるおそれがない商品又は役務について使用をするもの
四 赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号)第一条の標章若しくは名称又は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第百五十八条第一項の特殊標章と同一又は類似の商標
五 日本国又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の政府又は地方公共団体の監督用又は証明用の印章又は記号のうち経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章を有する商標であつて、その印章又は記号が用いられている商品又は役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするもの
六 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標
七 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標
八 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)
九 政府若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの又は外国でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会の賞と同一又は類似の標章を有する商標(その賞を受けた者が商標の一部としてその標章の使用をするものを除く。)
十 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
十二 他人の登録防護標章(防護標章登録を受けている標章をいう。以下同じ。)と同一の商標であつて、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用をするもの
十三 削除
十四 種苗法(平成十年法律第八十三号)第十八条第一項の規定による品種登録を受けた品種の名称と同一又は類似の商標であつて、その品種の種苗又はこれに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
十五 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)
十六 商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標
十七 日本国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章又は世界貿易機関の加盟国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒若しくは蒸留酒について使用をすることが禁止されているものを有する商標であつて、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒について使用をするもの
十八 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標
十九 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)
2 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを行つている者が前項第六号の商標について商標登録出願をするときは、同号の規定は、適用しない。
3 第一項第八号、第十号、第十五号、第十七号又は第十九号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。

知的財産とは(商標編)第16回は以上になります。

第17回は「団体商標・地域団体商標」についてお話ししていきます。

(第16回 了)
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