こちらは、特許申請・権利化の手順の解説ページです。

特許申請の手順_解説スライドv2

全体の流れは上記イラストのようになります。
「発明から出願まで」を以下の①~④で、
「出願から権利化まで」を以下の⑤~⑧で詳しく説明していきます。

特許申請・権利化の手順02_全体の流れ


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特許申請・権利化の手順03_先行技術調査

まず、自分の発明に近い発明を発見するところから始まります。
これを、先行技術調査と呼びます。

無料の調査ツールが提供されており、キーワードによる特許検索を気軽に行えます。

リンク(↓クリックしてください):
【J-Platpat特許・実用新案検索】(工業所有権情報・研修館)

使い方をごく簡単に説明します。
「発明のタイトル」や「請求の範囲」に自分の発明の名称(キーワード)を入力し、一番下の「検索」を押してみましょう。
用語が適切であれば、その発明に関する特許情報が現れます。

ヒットしない場合、検索項目を「全文」に変えるか、キーワードを変えて検索することもお勧めします。

 例:スマートフォン → 携帯電話、携帯デバイス、端末装置

なお、【特許請求の範囲】が権利を要求する範囲であり、
【詳細な説明】が説明書の役割です(【明細書】とも言います)。


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書類の書き方に入る前に、発明の整理を行いましょう。

特許申請・権利化の手順04_構成要件の抽出

素材Aを用いることにより、耐火性が向上した耐火板の発明があったとします。

実際の商品は、下から順に「金属板-断熱層-緩衝材-金属板」の構成です。
この発明の鍵となるのは素材Aを用いた断熱層ですが、どこまで特許請求の範囲(権利要求範囲)に書くべきでしょうか。

これら4つの層が必須であり、すべて無ければ耐火板と言えないのであればすべて記載すべきでしょう。

しかし、本発明の最低限の要素が金属板と断熱層だけであり、それで成り立つのであればその2つを書けば十分です。
むしろ色々書くと限定要素となってしまい、権利範囲が狭くなります。

何を構成要素とするのかについては、よく考える必要があります。

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さて、いよいよ出願書類の書き方を見ていきます。

特許申請・権利化の手順05_出願書類作成(拒絶理由-明確性要件違反)

出願書類には5種類ありますが(【参考】イラスト知財第5回「特許請求の範囲」)、
ここでは最も重要な【特許請求の範囲】を説明します。

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先ほどの例で、金属板と断熱層(素材A)のみが必須であったとして、特許請求の範囲を書いてみましょう。
特許請求の範囲は、先ほども申し上げたように権利要求範囲です。

発明の特徴部分は素材Aなので、【特許請求の範囲】に「断熱素材Aを用いた耐火板」と書いても良さそうです(イラスト左側)。

しかし、この書き方だと問題があります。
例えば、素材Aがどこに含まれ、他の部材と(物理的にも機能的にも)どのように関わっているか分かりません。
(何らかの板状物にAを含む液体を吹きかけるのか、
それともイラストの様に、ある基材の上に素材Aを含む層が重ねられているのか等)

このような書き方は拒絶理由になり、特許を取得できません。

これに対して、例えば右のイラストのように、
金属板の片方の面に断熱層が接しており、
またその断熱層に素材Aを含むことを記載すれば上記問題は解決します。

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なお、上記では「金属板と、~」という書き方をしていますが、
もし金属に代わってセラミックやプラスチック材、木材で応用できるのであれば、
「金属板」よりも「基材」という書き方をした方がより広い権利になります。
(この場合、明細書に「基材」とは具体的にどのようなものかを説明する必要があります。)

目の前にある発明にとらわれがちですが、このように考えると広い権利になります(上位概念化といいます)。

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特許申請・権利化の手順06_出願書類作成(拒絶理由-サポート要件違反)

引き続き出願書類の作成です。
2つの書類、【特許請求の範囲】と【明細書(詳細な説明)】とのバランスについて説明します。

まず左の図をご覧ください。
権利要求範囲である【特許請求の範囲】には金、銀、銅について書いてありますが、
発明の説明部分である【明細書】(詳細な説明)には銅を用いた例しか書いていません。

つまり、「金や銀を用いた場合にどうなるか」について開示していないのに、金や銀を用いた場合について権利を取得しようとしています。
このような書き方も拒絶理由となります。

一方右の例では、権利要求範囲と説明部分のバランスが取れています。
発明をオープンにした(開示した)からこそ特許が取得できる、というわけです。

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特許申請・権利化の手順07_出願書類作成(適切な権利範囲)

最後にもう一度、【特許請求の範囲】について見てみましょう。
権利を要求する範囲が広すぎる場合と狭すぎる場合です。

まず左の図、「広すぎる」場合です。
これは先ほどの十分に説明(開示)がされていない場合と似ていますが、
要求する権利範囲が広いということは、往々にして既存の発明(先行技術)を含んでしまっている場合があります。

この場合、明細書の説明がどうであろうと、「その先行技術と同一である」という理由で拒絶されます。

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次に「狭すぎる」場合です。
右図のように、成分の配合比を厳密に記載したらどうでしょうか。

全く同一の先行技術は見つからず、特許にはなるかもしれません。
しかし、特許は他者の実施を排除することに意義がありますから、
このような極めて権利範囲の狭い特許では他社の排除は十分にできないでしょう。

権利範囲の狭い特許は往々にして実用に耐えない、使えない特許となります。

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特許出願書類の作成には非常に多くのノウハウがあります。
残念ながら、ここですべて説明し切れません。

もう一段深い説明については、無料のダウンロード資料を配布していますのでご確認ください。

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特許申請・権利化の手順08_特許出願

書類が完成したらいよいよ特許出願です。
特許は早い者勝ちであり、出願が遅れると思わぬ不利益が生じますので、一日でも早く出願しましょう(【参考】イラスト知財第7回「新規性・先後願」)。

①特許庁に持参すると、相談に乗ってくれる場所がありますので、初めての方は直接持参もお勧めします。

また、特許出願には「特許印紙」という印紙が必要ですが、これは大きな郵便局にしかないことがあります。
特許庁ではこの特許印紙も販売していますので、持参するとそういった手間が省けます。

しかし、遠隔地の方は中々難しいと思います。
その場合は必然的に②郵送(信書便)による出願になります。
(【参考】郵送等で手続きをする方へ(特許庁)
特許印紙を購入して、貼付してください。
なお、郵送の場合、出願日は郵便局に提出した日(郵便局の受領証の日時)になります。

③インターネット出願もあります。こちらは事前の準備等が必要になります。
多数出願する方は、インターネット出願の準備を整える手もあります。
この場合、特許印紙を買わずにネット決済が出来るなどのメリットがあります。
(【参考】電子出願ソフトサポートサイト(特許庁)

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以上が出願までの流れです。

先ほども申しましたが、先行技術調査・発明の把握・出願書類作成と、非常に多くのノウハウがあります。

ご興味がある方に向け、もう一段 深堀りした資料を作成しました。
弊所の書類作成プロセスについて、イラストを用いて解説しています。

よろしければ次のリンクから資料請求してください。
資料は無料です。

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それでは、後半です。

特許申請・権利化の手順09_出願審査請求

特許を取得するには、特許申請(特許出願)のほか、「出願審査請求」という手続きが必要です。
出願審査請求は出願から3年以内であればいつでもできるため、
出願後しばらく経ってから審査請求することもあります(【参考】イラスト知財第4回「特許申請から消滅まで」)。

この場合、時々刻々と変わる市場や技術に対し、過去に書いた特許の内容が合わないことがあります。
出願と出願審査請求の間が空いた場合には、内容のチェックをすることをお勧めします。

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出願審査請求についてはこちらもご参照ください。
【参考】出願しただけだと審査は始まらない?(特許庁)

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特許申請・権利化の手順10_意見書・補正書作成

特許出願に拒絶理由が含まれていると、特許庁の審査官から拒絶理由通知が届きます。
これは特許庁の行政サービスなのですが、放っておくと拒絶査定となり、特許が取得できなくなります。

この拒絶理由を正しく理解して適切に対応し、拒絶理由が解消すると、特許を得ることできます。

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上の例では、出願人がA方式とB方式の双方で権利を取ろうとしたのですが、
審査官はA方式を用いた方法(発明)がすでに知られていることを見つけました。

そこで審査官は、「このような先行技術文献があり、そこにはA方式が記載されています。A方式は発明として新しさ(新規性)がありませんので、特許になりません。」という内容の通知を出願人に送ります(図中①)。

新規性違反であることを理解した出願人は、方式Aの権利要求を削除する補正を行い、意見書と共に審査官に回答しました(図中②)。

補正後の内容に拒絶理由は見つからなかったことから、審査官は補正後の内容で特許査定をします(図中③)。

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特許申請・権利化の手順11_特許料納付(1~3年分)

特許査定が得られたら特許までもうすぐです。

特許査定の連絡(「特許査定謄本の送達」と言われます)が届きましたら、特許(登録)料を納付しましょう。
特許料は3年分をまとめて払う必要があります。

納付が済めば、特許取得の手続は完了です。

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特許申請・権利化の手順12_特許料納付(4年目以降)

特許料は3年分まとめて払う必要があると述べました。
4年目以降も特許を維持するのであれば、そのための特許料を払わなければなりません。
(この特許料は年金とも呼ばれます。)

ここで注意して頂きたいのは、特許料は維持期間が長いほど高額になるということです。

上のグラフを見てください。
例えば請求項の数が20で、特許登録が10年目に入った場合、登録料は毎年14万円強となります。

なぜ年々特許料が上がるのでしょうか。
これは、特許を数年以上、さらには10年以上維持しているのであれば、その恩恵もそれなりにあり、利益を上げていることが推測されます。
よって、その頃には特許料の負担は微々たるものだろう、と考えられるわけです。

特許料については、さらに納付を忘れないようにしなければならないところが注意点です。

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以上で説明は終わりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


弊所における書類作成手順を書き留めた、イラスト資料を無料で配布しています。

よろしければこちらもご覧ください。
資料は無料になります。
また、お問い合わせや、弊所への来所も心よりお待ち申し上げます。


IPdash東京特許事務所
代表 留場 恒光

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