
商標編第8回です。
商標権を侵害した場合の民事的措置と刑事的措置、および過失の推定について、イラストで分かりやすく説明します。
商標権侵害に対する措置は、以下のようになります。

民事的措置は損害賠償請求、差止請求、不当利得返還請求、そして信用回復措置請求です。
刑事的措置も定められているため、商標権を侵害した者には刑事罰が科されます。
ここで、損害賠償請求に関連して重要なルールを紹介します。
過失の推定

商標法には過失の推定規定があります。特許法のルールを準用と言う形で取り込んでいます。
情報は公開されているのだから、事業者であれば十分注意するだろうといった理由です。

なぜ過失の推定規定があるのかですが、その理由を端的に言うと損害賠償請求時の立証負担の軽減です。
損害賠償請求が成立させるために、商標権を侵害された商標権者は上記4つの要件を立証しなければいけません。
しかし過失の推定規定があることで、上記のうち①の「故意過失があること」は商標権者が立証しなくてもよいわけです。
なお、④侵害と損害に因果関係がある、とは、
侵害者が侵害品を市場に投入した結果(上記のイラストでは段ボール2個)、商標権者の売り上げが落ちた(段ボール2箱分が売れなかった)ため損害が生じた、ということです。


まとめです。
商標権侵害には、民事的措置、刑事的措置が可能です。
過失の推定規定により、損害賠償請求時における商標権者の立証負担を軽減しています。
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知的財産とは(商標編)第8回は以上になります。
第9回では「先使用権」についてお話ししていきます。
(第8回 了)
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