弁理士が商標をわかりやすく解説-第4回「よく出てくる「区分」ってなに?」…指定商品や指定役務の区分について、イラストでわかりやすく説明します。 (IPdash東京 特許事務所/弁理士 留場恒光)

商標編第4回です。
指定商品や指定役務の区分について、イラストで分かりやすく説明します。

商標法第6条(一商標一出願)は以下のような条文です。

商標法 第6条第1項
 商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。

例えば、1つの願書で2つの商標について出願することはできません。

「区分」という語が出てくるのは次の第2項です。

商標法 第6条第2項
 前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない。

出願にあたり、区分について知る必要があります。

特許庁はすべての商品・サービスを45の区分に分けています。

ここで、その45区分の概要について見ていきましょう。

まずは「商品」に関係する区分です。

(参考)指定商品・指定役務区分全45区分の概要:第1類から第34類は指定商品の区分です。IPdash東京特許事務所によるざっくりまとめです。

つづいて、「役務(サービス)」に関係する区分です。

(参考)指定商品・指定役務区分全45区分の概要:第35類から第45類は指定役務の区分です。IPdash東京特許事務所によるざっくりまとめです。

なお、弊所ホームページの以下のページでは各区分について詳細を説明しています。

よろしければご参照ください。

(リンクをクリックすると別タブで開きます)

商標の区分をわかりやすく解説!

(重要)区分についてわかりやすく説明します。特許庁はすべての商品・役務を45の区分に分けています。ビジネス上の商品展開によっては、複数の区分の指定が必要になります。例えば、商品がアイスクリーム、米、せんべいのみであれば1区分で済みますが、日本酒を追加するなら2区分、飲食物の提供を追加するなら3区分です。

ビジネス上の商品展開によっては、複数の区分の指定が必要になります。

例えばこのスライドの様に、商品がアイスクリーム、米、せんべいのみであれば1区分で済みます。

同じ区分数であれば費用は変わりません。

しかし、日本酒(米酒)を追加するなら2区分、飲食物(アイスクリーム)の提供を追加するなら3区分となります。

商品と役務について。商品と役務(サービス)は別の区分になります。例えば、ある商品とその販売サービスで同じ名称等を使い、それぞれについて権利化したい場合、双方の区分の指定が必要です。商品としてのアイスクリームは区分第30類、役務としてのアイスクリームの提供は区分第43類です。

ここで、商品と役務(サービス)は別の区分になる点にご注意ください。

上記のようなケースでは、2区分指定する必要があります。

ここで、アイスクリームという「商品」と、アイスクリームの提供という「役務(サービス)」は異なるからです。

最後に、区分数による費用の違いを見ていきましょう。

特許庁費用(特許庁に支払う費用)は、区分数に応じて変化します。特許庁費用は商標登録出願料と商標登録料があります。

区分数が2倍になれば登録料は2倍になります。

弁理士が商標をわかりやすく解説-第4回まとめ:商標登録出願の際には、区分に従った商品又は役務の指定が必要です。すべての商品・役務は、45の区分のどれかに属します。

まとめです。

商標登録出願の際には、区分に従った商品又は役務の指定が必要です。
すべての商品・役務は、45の区分のどれかに属します。

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知的財産とは(商標編)第4回は以上になります。

第5回では「商標登録の要件」についてお話ししていきます。

(第4回 了)
IPdash東京 特許事務所

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