弁理士が商標をわかりやすく解説-第3回「商標登録までの流れ(出願フロー)」…商標登録出願(申請)から商標登録(商標権の取得)までについて、イラストでわかりやすく説明します。 (IPdash東京 特許事務所/弁理士 留場恒光)

商標編第3回です。
商標登録出願(申請)から商標登録までの流れについて、イラストで分かりやすく説明します。

商標登録(商標権取得)の流れです。商標登録出願(申請)を行い、特許庁の審査で登録査定を受けると商標登録されます。おさえておくべきは、出願から権利取得まで最短でも2カ月以上、通常半年から1年かかること、登録後は10年ごとに更新が必要であること(半永久権)、特許庁費用は最低3万円からであり、指定商品(役務)の数によって変化すること、です。

ざっくり言うと、商標登録出願(申請)を行い、特許庁の審査で許可が下りれば商標登録されます。

まずは上記のようなことをおさえておけばよいと考えます。

特に、どれくらい時間がかかるかは把握しておく必要があります。

もう少し商標登録までの流れを細かく見ていきます。

商標登録出願(申請)を行うと、約2週間後にその出願は公開されます(出願公開)。審査待ち期間というものがあり、その経過後、審査が始まります。特許庁の審査官は登録査定か拒絶査定の処分を行います。登録査定後、登録料を納付すると設定登録により商標権が発生します(商標登録)、商標登録公報が発行されます。

商標登録出願(申請)すると、審査待ち期間があります。審査待ち期間は上記に記載の通りです。また、審査待ち期間中に出願の内容が公開されます(出願公開)。

審査待ち期間の経過後、特許庁審査官による審査が始まります。審査により、審査官は登録査定か拒絶査定の処分を下します。

いきなり拒絶査定となることはなく、拒絶理由がある場合は拒絶理由通知がなされます。

登録査定となった場合、登録料を特許庁に納付することで商標登録(商標権)が得られます。商標登録証も登録料納付後に送付されます。

権利は10年ごとに更新ですが、登録料は5年分×2回などの分割納付が可能です。

商標権は、登録料を支払う限り権利が存続する半永久権です。

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特許庁は審査待ち期間の目安を公開しています。

見てみましょう。

特許庁が公開している商標審査着手状況(審査待ち期間の目安)です。現状審査待ち期間は4カ月から10カ月ほどです。指定商品や指定役務によって変化します。

審査待ち期間が4カ月から10か月であることがわかります。

ここで注意していただきたいのは、これはあくまで目安であり、もっと長くなる可能性もあるという事です。コロナ期間中はもう少し長かったです。

そんなに待てない!という人は早期審査制度を利用できます。

早期審査制度

商標の早期審査制度について説明します。出願から審査まで(審査待ち期間)は通常半年から1年です。しかし、早期審査制度を利用すると、この期間が2カ月程に短縮されます。

上記イラストの通り、審査待ち期間は早期審査の請求により短縮できる場合があります。

ただし、早期審査が認められるためには、その商標が使用されていること、使用の準備がなされていることを示す必要があります。

早期審査に必要な書類を見てみましょう。

早期審査を請求(申請)する際に必要な書類(早期審査に関する事情説明書)です。早期審査が認められるためには、商標の使用または商標の使用の予定を示さなければなりません。

3つの記載ポイントがあります。

すなわち、「1.出願人が、2.指定商品または指定役務(サービス)について、3.商標を」使用していることを示します。

弁理士が商標をわかりやすく解説-第3回まとめ:商標審査の審査待ち期間は約6~10ヶ月です。審査待ち期間は、早期審査の申請により短縮できる場合があります。

まとめです。

商標審査には審査待ち期間があります。

審査待ち期間は、早期審査の申請により短縮できる場合があります。

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知的財産とは(商標編)第3回は以上になります。

第4回では「指定商品・指定役務の区分」についてお話ししていきます。

(第3回 了)
IPdash東京 特許事務所

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