商標解説セミナー第1回「商標法の目的」商標法の目的や商標法第1条について、イラストで分かりやすく説明します (IPdash東京 特許事務所/弁理士 留場恒光)

商標編第1回です。
これから18セットのスライドを用いて、知的財産(知財)権のうち商標権について、イラストで分かりやすく説明します。

セミナー全体の概要

本セミナー(商標編)の目的は、「商標制度について、広く知っていただくこと」です。

そしてそれが
・ブランドの構築
・知財戦略を考えるきっかけ
になればと考えています。

本セミナーの目的を達するためには、第1回から第15回までを一通りご覧いただければまず十分と考えています。

しかし、商標を既に実務で使われている方、学ばれている方のために、応用編(第16回~第18回)も用意しました。
ご興味をお持ちいただけましたら、応用編もご覧ください。

知的財産権セミナー(商標編)の全体像です。第1回・第2回で商標法の基本的な部分をわかりやすく説明します。そのあと、第3回から第6回までで権利化(商標登録)前の話を、第7回から第14回まで権利化後の話をします(第8回から第14回は知財紛争関係の話です)。第15回では国際登録の話をします。ここまでで商標法の概要は理解していただけると考えます。すこし細かいところは応用編(第16回~第18回)で説明します。

こちらのスライドで示すように、第1回・第2回で商標法の基本的な部分を取り扱います。

そのあと、第3回から第6回まで権利化(商標登録)前の話を、第7回から第14回まで権利化後の話をします。第15回では国際登録の話をします。

ここまでご覧いただければ、商標法の大まかなところはお伝えできると考えます。

商標法の目的

まず、商標法が何を保護するのか、見ていきたいと思います。

商標法が保護するものとは1:商標法は、商品や役務(サービス)に蓄積した業務上の信用を保護します。

商標権の付与(商標登録)により、業務上の信用が保護されます。商標権の侵害者には民事措置や刑事措置がなされます。

商標権という独占排他権を商標権者に与えることにより、その商標権者が得てきた業務上の信用を保護します。

では、業務上の信用が蓄積されていないと商標権を得ることはできないのでしょうか?

信用が積み傘らないと商標権を取得できないわけではありません。事業の開始前や開示でも商標権を取得することができます。

事業を開始する前、つまり業務上の信用が蓄積される前であっても商標権を得ることができます。

少し難しい話ですが、日本では、使用前であっても商標登録が可能な登録主義と言われる制度を採用しています。これに対し、アメリカなどは使用主義と言われる制度を採用しています。

産業財産権逐条解説・商標法第1条趣旨:商標を使用する者は商品や役務の提供に係る物品等に一定の商標を継続的に使用することによって業務上の信用を獲得するものであるが、この信用は有形の財産と同様に経済的価値を有する。

逐条解説とは、法律を作った方がその法律について詳しく説明するものです。

商標法第1条の解説は上記のようになっており、業務上の信用に経済的価値があるとしています。

ここで、商標法第1条の条文を見てみましょう。

商標法の条文(第1条):この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、 あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

商標法の目的は、上述した業務上の信用を保護することで、「産業の発達に寄与」し、「需要者の利益を保護」します。

なお特許法の目的は「産業の発達に寄与すること」です。

商標の場合、紛らわしい商標が使用されると需要者(商品やサービスを購入等する者)が混乱します。

こういった需要者の利益を保護することも商標法の目的です。

商標解説セミナー第1回まとめ:業務上の信用には財産的価値があり、商標権によりその信用を保護します。

知的財産とは(商標編)第1回は以上になります。

第2回では「用語の定義」についてお話ししていきます。

(第1回 了)
IPdash東京 特許事務所

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第2回:用語の定義

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