応用編06.PCTって何?(特許協力条約):特許協力条約(PCT)について、イラストで分かりやすく説明します(IPdash東京 特許事務所/弁理士 留場恒光)

特許編応用第6回です。
PCT(特許協力条約)について、イラストで分かりやすく説明します。

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応用編第6回は特許協力条約について見ていきましょう。

条約全般の解説は長くなりますので、ここでは手続きのフローについて解説します。

PCTとは特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)のことで、方式統一条約とも言われます。

特許権が世界中で効力を持つ統一特許制度を目指しましたが、
先進国と途上国の対立が激しく、統一特許は実現しませんでした。

ただ、出願に係る手続等の方式は統一されたため、方式統一条約などとも言われます。

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次のページでは手続きのフローを見ていきます。

PCT出願により、国際公開、国際調査報告がなされます。特許を与えるかどうかは各国(指定官庁)毎に判断されます(属地主義)。

複雑なところを省略し、フローを1枚にまとめるとこのようになります。

国際出願が受理官庁に受理されると、
国際事務局が出願の内容について国際公開を行い(出願から1年6か月後)、
国際調査機関が国際調査報告(レポート)を作成します(→次ページ)。

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ただ、国際出願しただけでは出願人は特許権を得ることが出来ません。

ある国で特許権を取得したいのであれば、
所定期間内に(通常国際出願の日から2年6か月以内)に、
その国で翻訳文の提出や手数料の納付といった手続き(移行手続き)を行う必要があります。

権利を与えるか否かはそれぞれの国が決める、というのがポイントです(属地主義)。

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なお、特許協力条約には
「受理官庁」「指定官庁」「国際事務局」「国際調査機関」等々、
多数のプレーヤーが出てきて混乱します。

しかし、受理官庁や国際調査機関などは、
実は日本国特許庁やその他の特許庁がその役割を果たしています。

国際出願をすると、参考として特許性についての見解を示してくれます(予備的かつ拘束力のない見解)

参考までに国際調査報告書の1ページを掲載します。

中段左側にX、Y、A等の表記が見られると思います。
これは、国際調査機関がその特許の特許性、即ちその特許が特許になりそうか否かについて見解を示したものになります。
(法的拘束力はなく、あくまで見解です。)

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世界共通の特許権と言うものはありません。権利の取得には、各国ごとの手続き・審査が必要になります。 国際出願をすると、国際公開がなされ、国際調査報告が作成されます。

まとめです。
・世界共通の特許権と言うものはありません。
・権利の取得には、各国ごとの手続き・審査が必要になります。
・国際出願をすると、国際公開がなされ、国際調査報告が作成されます。

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以上で応用編を終わります。

ここまで基礎編15回、応用編6回に渡るコンテンツをご覧頂き、誠にありがとうございました。

ここで得た知識が、皆様のビジネスのお役に立てれば望外の喜びです。

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今後ともIPdash東京 特許事務所をよろしくお願い申し上げます。

IPdash東京特許事務所 代表
 留場 恒光(弁理士)

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(応用第6回 了)
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