特許編第4回です。
特許のライフサイクルについて、イラストで分かりやすく説明します。
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特許権がいつ発生し、 いつ消滅するのか。
そのライフサイクルについて説明します。
まず、
①権利期間が終了する「満了日」、
②権利期間が開始する「設定登録日」について説明します。
さらに、③特許が公開される「公開日」について説明します。
こちらが全体像になります。
特許申請の日である「出願日」を起点に、3本の軸で説明します。
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まず①、権利期間の満了日(終期)です。
これは特許出願(特許申請)の日から20年です。
権利が発生してから20年ではありません。
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シンプルなので特許権の終期から説明しました。
次のスライドでは②権利期間の開始日(始期)を説明します。
ここが最も難しい場所になります。
出願人は、出願の手続きとは別に、「出願審査請求」という手続きを特許庁にしなければなりません。
審査請求は出願日(特許申請の日)から3年以内に行います
(この3年「以内」というのが後のポイントになります)。
この審査請求があって初めて、特許庁審査官が特許出願の審査を開始します。
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審査で特許査定(特許OK)が得られたあと、特許料を納付することで「設定の登録」がなされます。
そして、この「設定の登録」から権利期間がスタートします。
つまり、出願日(申請日)だけでなく、審査請求をいつ行うかによって権利がスタートする日(登録日)が変わってきます。
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なお、特許行政年次報告書2019年版によると、
特許の権利化までの期間(審査期間)は平均で14か月です。
出願の内容は、出願日(特許申請の日)から1年6か月は秘密にされますが、その期間が経過すると公開されます。
これは、発明の内容を広く一般に公開することで、第三者に利用してもらうためです。
例えば、改良発明が生み出されることが期待できます。
以上、出願日(特許申請の日)を基準とした3つの日付(満了日・登録日・公開日)について説明しました。
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次は、審査請求までの期間について考えてみましょう。
例えば、出願(申請)から3年が近づいてきたときに、技術の重要性を見極めたうえで審査請求し、権利化を行う、ということが出来ます。
そこで、審査請求までの期間を短くした場合を考えてみます。
権利期間の始期はどうなるでしょうか。
出願(申請)から(3年後ではなく)1年後に審査請求をした場合、当然権利がスタートする時間も早くなります。
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審査請求が出願(特許申請)から3年以内に出来るということは、出願(申請)と同時にしても構わない、と言うことです。
この場合、権利化までの期間がさらに短くなります。
例えば、競争の激しいIT・ソフトウェア等の分野において、
早期に権利を取得し、権利を取得したらすぐに権利行使ということも考えられるでしょう。
よって、いつ審査請求をするかというのは、
戦略上重要な判断につながります。
まとめです。
・出願日から20年で権利期間が満了します(満了日)。
・設定登録により権利期間が始まります(登録日)。
・出願から1年6か月で出願の内容が公開されます(公開日)。
・出願審査請求の時期は、戦略的に判断しましょう。
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(第4回 了)
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