USドル

特許は必要だから申請したい。でも、

・いくらかかるかよく分からないな…
・料金が複雑だなぁ…
・特許にかかる費用を抑えられない?

そんな疑問に弁理士がお答えします。

ポイント

ポイントは3つ!

1.特許庁に払う費用と弁理士(特許事務所)に払う費用がある

2.少なくとも、出願時、審査請求時、登録時にかかる費用がある

3.登録(権利化)後も維持費(特許料)がかかる

図示すると以下になります。
左から右に向かって手続きが進みます。

徹底解説!特許費用(料金)_費用まとめ
特許費用まとめ

それでは解説します。

明細書の枚数が25枚ほどである場合を想定してご説明します。

1.特許庁に払う費用と弁理士(特許事務所)に払う費用がある

底解説!特許費用(料金)_登録までの特許庁費用・弁理士費用
登録までの特許庁費用・弁理士費用

・特許庁費用(特許庁に支払う費用・印紙代)

登録までの特許庁費用は、最低で19万円強、通常25万円ほどになります。

特許庁に支払う費用だけで20万円近くかかることに驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただしこの特許庁費用については、中小企業等に対する減免措置等があります(後述)。

・弁理士費用(特許事務所に支払う費用・明細書作成手数料等)

登録までの弁理士費用は事務所によって変化しますが、おおよそ50万円程度~(出願時40万円~、登録時成功報酬10万円~)になります。

弁理士費用については日本弁理士会が統計を出しています。
こちらをご参照ください。
弁理士の費用(報酬)について(日本弁理士会)

内訳を細かく見みましょう。

2.少なくとも、出願時、審査請求時、登録時にかかる費用がある

徹底解説!特許費用(料金)_登録までの特許庁費用・弁理士費用詳細
登録までの特許庁費用・弁理士費用詳細

特許庁費用(①~③)と弁理士費用(④~⑥)に分けて解説します。

・特許庁費用

①出願料:出願時に特許庁に支払う費用です。

②出願審査請求料:出願審査請求の際に特許庁に支払う費用です。
特許の取得には必ず特許庁審査官の審査を受けなければならないため、出願審査請求という手続きをします。そのための費用です。

この出願審査請求料が複雑で、正確には「138,000円+請求項の数×4,000円」で算出されます。
イラストで約14万円~と書いているのはこのためです。
請求項の数(請求する権利の数)※に比例します。

ただし、出願審査請求料には減免措置があります。
中小企業等の場合はその1/2が免除になる、などです。

詳しくはこちら:
 特許料等の減免制度(特許庁)

※「請求項の数」とは?

例えばスマホアプリの発明などは、通常サーバの動作に注目して、
「A手段、B手段、C手段、とを備える○○システム。」などと特許請求の範囲(請求項)に記載します。

ここで、そのような処理を行う「プログラム」についても権利を確保したい場合に、
「コンピュータを手段 A、手段 B、手段 C、…として機能させるための○○プログラム。」のような形で別の請求項を追加します。

最初の「~○○システム。」だけであれば請求項の数は1、「~○○プログラム。」についても権利取得するなら請求項の数は2となります。

③特許料:特許登録のために特許庁に支払う料金です。
少なくとも3年分の特許料を納付しますが、例えば10年分をまとめて納付することも可能です。

4年目以降の特許料の額については後述します。

特許料にも減免措置があります。

登録までにかかる特許庁費用の解説は以上です。

より詳細についてはこちらのページをご覧ください。

 産業財産権関係料金一覧(特許庁)

・弁理士費用

④明細書作成手数料:
特許事務所が特許書類(明細書)の作成を代行する際の手数料です。
特に決まった名前は無く、事務所によります。単に手数料とも呼ばれます。

この費用が事務所によって分かれるのですが、おおよそ50万円ほどです。

明細書作成は弁理士のスキルが特に発揮される部分です。

通常、弁理士が書く書類(明細書)の量によって料金が変化します(従量制)。
料金を開示している事務所であれば、5,000円/枚(ページ)、10,000円/枚などと書かれていると思います。

明細書作成基本料金が20万円となっている場合も、ページ数分の費用が加算され、最終的に上記料金になることが多いようです。

このため、弁理士費用は値段の幅があります。

一定枚数までは料金が定額という事務所もあります。

⑤審査請求手数料:
出願審査請求という手続きを代行する弁理士への手数料です。こちらも特に名前はありません。
手数料がかからないこともあります。

⑥登録手数料(成功報酬):
登録に際してかかる費用です。
登録料の納付代行にかかる手数料の他、成功報酬制の特許事務所はここで成功報酬が発生します。

成功報酬はおおよそ10万円からのようです(IPdash東京特許事務所調べ)。
平均額では20万円ほどというデータがあります。

  ☆     ☆     ☆

以上は最低限の費用であり、さらに以下の費用が発生する場合があります。

・相談料金:
 特許出願について相談する料金(チャージ)です。無料相談を設ける事務所は多くあります。
 初回相談無料・2回目以降はタイムチャージ制(数万円/時間など)であったり、
 原則タイムチャージ制であるものの、出願を依頼することで相談料が無料になったりします。

・特許調査費用:
 既存の特許文献等を調査するための費用です。

 単独だとおおよそ5万円くらいからありますが、相談時の簡易調査が無料である場合や、調査費用が出願費用に含まれる場合も多いです。
 特許調査は弁理士のスキルが発揮される部分です。

・中間対応費用(意見書・補正書作成費用):
 重要な費用です。審査官から拒絶理由通知が届いた際に、意見書や補正書で対応するための費用です。

 意見書作成と補正書作成がそれぞれ5万円~、通常両方セットで作成するため、合わせて10万円~が相場です。
 中間対応は弁理士のスキルが発揮される部分です。

 通常、意見書・補正書作成ごとに費用がかかることが多いです。
 つまり、意見書・補正書の作成が2回になると、この費用も2回分かかる、ということです。

 なお、特許庁からの拒絶理由通知が無ければ無料のこともありますが、この場合は成功報酬が発生することが多いようです。

・審査官面接費用:
 中間対応による費用ですが、弁理士が特許庁に赴き、審査官と直接やりとりする場合の費用です。
 おおよそ3万円~となります。

以上から、登録(権利化)までの弁理士費用はおよそ50万円~です。

そして、特許庁費用も合わせると、登録(権利化)までの総額費用は70万円~100万円くらいになります。

※報酬体系は事務所によるため、上記の費用範囲から外れることもあります

自治体によっては補助金等により、特許庁費用や弁理士費用の一部を負担してくれる場合があります。

3.登録(権利化)後も維持費(特許料)がかかる

徹底解説!特許費用(料金)_登録後の特許維持費用
登録後の特許維持費用

・特許庁費用

1年目から3年目の特許料について上述しましたが、特許料は、より正確には以下の計算式で計算されます。
大まかに言うと、特許料は年々高くなっていく、というものです。

これは、「特許を長く維持するということは、それだけ特許による恩恵も受けているだろう」と考えられるためです。

 第1年から第3年まで:毎年 4,300円+(請求項の数×300円)
 第4年から第6年まで:毎年 10,300円+(請求項の数×1,300円)
 第7年から第9年まで:毎年 24,800円+(請求項の数×1,900円)
 第10年から第25年まで:毎年 59,400円+(請求項の数×4,600円)

●2022年4月から特許料が変わりました。

イラスト中、「約2万円/年→約7万円/年」と書いてあるのは、4年目くらいであれば毎年2万円ほどの維持費なのですが、10年目以降となると、最低でも毎年7万円ほどの費用がかかるためです。

ただし、1~10年目の特許料は減免措置の対象です。

所定の要件を満たす特許権者は、減免申請を行うことで特許料が減免されます。

・弁理士費用

登録料の納付代行手数料です。維持管理費などとも呼ばれます。

費用は数千円~のようです(IPdash東京特許事務所調べ)。

  ☆     ☆     ☆

お客様によっては、「交渉のため、出願の事実だけがあればよい」という場合や、
出願後、「権利化までは不要になった」という場合があるでしょう。

その場合、上記審査請求以降の費用は不要になります。

まとめ

1.特許庁と弁理士(特許事務所)に払う費用がある

 まず特許権取得費用の相場として、特許庁費用20万円~、弁理士(特許事務所)費用50万円~、の合計70万円~が相場。

 特許庁費用が少なくとも20万円近くかかる。
 ただし、特許庁費用は減免措置で安くなる可能性がある。
 また、地方自治体が特許庁費用、弁理士費用を補助してくれる場合がある。

2.少なくとも、出願時、審査請求時、登録時に払う費用がある。

 請求項の数に応じて特許庁費用が変化し、またそれに応じて弁理士費用が変化することが多いため、依頼人からすると非常に分かりにくい。

 出願審査請求手数料と特許料が減免対象。

3.登録(権利化)後も維持費(特許料)がかかる

 権利期間が長いほど、特許庁費用が高額になる。

IPdash東京特許事務所の場合

弊所の料金表はコチラになります。
明細書作成量やページ数に応じて変化する従量制料金は排除し、分かりやすい総額料金表示となっております。

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